人類がAIに支配されるのはまだまだ先だと思う

近年、ChaptGPTなどのAI技術の進化により、人類がAIに支配されるマトリックスのような未来を危惧している記事が多く見られます。しかし、現実的にはそのような未来が訪れるまでにはまだまだ時間がかかるのではないかと考えます。以下でその理由について考察してみます。

AIは特定の分野でのみ優れる

現在、AIは特定の分野で驚異的な能力を示しています。かつては人間にも勝てなかった将棋や囲碁などでも、AIは人間に対して勝利を収めることができるようになりました。しかしこれはあくまで特定の分野における話であり、その分野でのみの優れた能力を持つAIという側面があります。逆に言えば将棋をプレイするAIは料理や歩行などの一般的な日常動作はできないということを表しています。これは当然のことですが重要な問題です。なぜならば、人間のプロ棋士が一般的な料理や歩行もできる以上将棋のAIは将棋でしか人間に勝てないということを示しています。

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AIの限界とハードウェアの成長

AIのソフト面

まず現在のAIはすべての人間の行動を模倣できているわけではありません。仮に出来たとしても現在のAIは特定の分野の特化型です。例えば将棋のAIが料理を行うことはできません。ただソフトを適宜変えれば人間に勝てるでしょう。しかしそのソフトを変えるのが現状では人間の時点で意味はありません。

またAIがいくつかのソフトを自動で起動することはできても人間のように柔軟に運用することは現状のソフトの面でできていません。しかしソフトよりむしろハードウェアの方が問題点が多いと思っています。

ハードウェア(CPU、メモリ、etc...)

現在の技術水準では人間並みの多様な能力を持つAIを開発するのは難しいと思います。なぜならば、現状では一つのソフトを使用するためには1台のパソコンの能力の多くを使用し動かせている状況です。しかし人間の脅威となるべきAIならば自分で思考して動く必要があるでしょう。そう、人間のように。現代のハードウェアでは、人間のように複数の処理を並列させるために複数のソフトを動かせば皆さん自分のパソコンで経験したことがあるようにコンピューターがフリーズしてしまうでしょう。仮に全てをすることができるAIのソフトが開発されても現状のハードウェアではそれを処理しきれないと思います。

人間のハードウェアの凄さ

人間のハードウェア(脳)は思ったより優秀です。例えばキーボードで文章を打つときを例に考えてみます。まず文章を作成し、構成します。その後キーボードを打つために指や腕のモーターを高度に制御します。またキーボードを打つためにはキーボードのキーパターンを処理するソフトも動かさなければなりません。目から入ったパソコンのディスプレイの情報から画像処理を行い文章を認識します。その文章を元に文章を理解し、文章を検討します。さらには人間の脳はこれらとは関係ないソフトも常に常駐させ制御しています。耳や触覚などのセンサー類、心臓などのハードウェア類の制御などです。しかもこれらは独立した動きではなく全てのソフトが並列的に強調しあっているのです。現状の技術水準でこれだけのことを1台のコンピューターにさせるの無理だと思います。

まとめ

現在の技術水準では、AIを人間並みにすることは難しいと言えるでしょう。特にハードウェアの成長が追いついていない現状がその主な要因です。しかし、量子コンピューターや次世代のテクノロジーが進化するにつれて、より高度なAIが実現される可能性があります。未来には人間よりはるかに優秀な人型ロボットなどが登場するかもしれません。しかし心配する必要はありません。なぜならば、その時には恐らく人間もマトリックスの世界の人間のように機械に直接アクセスできたり、人体を強化する技術などで超人のようになっているだろうと思います。そんな世界ではロボットと人間の差など意味のない世界になっていると思います。